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担当編集のテマエミソ新刊案内

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明日の空

  • 紙の本

『明日の空』貫井徳郎

定価:1,200円(本体)+税 5月26日発売

 先頃、日本推理作家協会賞と山本周五郎賞をW受賞し(しかも異なる作品で!)、熱い注目を集めている貫井さん。
 その直後の新刊となった本作『明日の空』は、それはもう、見事に“どんでん返し”系の作品です!

 主人公の栄美(エイミー)は、両親は日本人ながらアメリカ生まれのアメリカ育ち。でも、父親の仕事の都合で高校三年から日本で暮らすことに。父親は栄美に言い聞かせます。

 「自分から『アメリカはこうだった』みたいなことは、絶対に言っちゃ駄目だ。いいね」

 「日本人は、みんな一緒なのが好きなんだ。ひとりだけ目立ったりするといじめられる。個人より集団が重んじられる社会なんだ」

 栄美はおそるおそる始業式の日を迎えます。
 ところが皆、好奇心いっぱいに栄美をとりかこみ、積極的に声をかけてきました。
 中でも、菜都美という子が人なつっこく接してくれたし、飛鳥部という背が高くてかっこ良く、頭もいいという男子が興味をもって話しかけてくれたので、栄美の高校生活は思いがけず順調に始まりました。
 しばらくすると、クラスにも陰湿な部分があることに気づくのですが……。

 でも栄美の心は、日に日に距離が縮まる飛鳥部のことでいっぱい。
 とうとう彼からデートに誘われます。
 なのにデートの約束をするたび何かが起こって、いつまでも実現されません。
 いったい誰が妨害を? どちらかに片思いをしているクラスメイトが?

 その後いろいろあり、結局、栄美の高校生活は苦い思い出を残して幕を閉じます。
 そして大学入学後、栄美は思わぬ形でこの“苦い思い出”の真相を知ることに……

 とここまで書いてみましたが、やはりこの作品の“キモ”は説明できていません。
 できないのです。残念ながら。
 青春小説の中にしっかり仕掛けがあります。ミステリです。
 そしてそれが明らかになることで、さらに青春小説としての輝きが増すんです。

 一読目では素直に驚いていただけるかと。
 二読目では「こういうことだったのか…」と、小説としての味わいがいっそう増すと思います。
 貫井さんのこれまでの作品とは異なる読後感を、ぜひお楽しみください!

(編集H)


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