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担当編集のテマエミソ新刊案内

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遥かなる水の音

  • 紙の本

『遥かなる水の音』村山由佳

定価:1,500円(本体)+税 11月26日発売

2009年、文芸界には「村山旋風」が吹き荒れました。
『ダブル・ファンタジー』(文藝春秋刊、以下『W/F』)で、中央公論文芸賞を筆頭に、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞という文芸賞の3冠を達成したのです!

その興奮冷めやらぬなか、本作の誕生です。
『W/F』を間に挟む形で、構想から3年を経て単行本となりました。
村山さんは前作を、ご自身の内部の黒々としたものを表出させた作品として「クロ村山」と称してらっしゃいますが、本作はこれまでのピュアな「シロ村山」かというと、それだけではないのです。

主人公はパリ在住の独身アラフォー女子。
フランス人の恋人との「婚外婚」状態に悩んでいます。
主人公の弟は、物語の冒頭、病で世を去ります。
彼が最期をともに過ごした同居人は、ゲイの中年フランス人。
そして、彼が密かに思いを寄せていた幼馴染の青年と、その青年と「恋人未満」状態のアラサー女子がパリに集結!
「死んだら、遺灰をサハラにまいてほしい」という弟の遺言を叶えるため、モロッコに旅立ちます。
イスラム教徒の現地ガイドも加わり、摩擦あり各自の葛藤ありの大変な旅が始まるのです……。

乾いたサハラの風、香り高いミントティー、市場の強烈な色彩の渦――。
異国を旅する情緒もたっぷりですが、決して「どこか遠い場所の話」とは思えない切実さが、本作にはあふれています。美しい景色に悲しみがひっそり隠れていたり、憎たらしい中年フランス人になんともいえぬ哀愁と愛着がわいたり……。
それはやはり、ご自身の生活も激変し、波乱万丈を経たうえでの「シロ村山」さんが紡いだ物語だからなのだと思います。

『W/F』はちょっと刺激が強かった……という読者にも、また、さらりと旅の気分を味わいたい方にも、ぜひ読んでいただきたい傑作です!

特設サイトでは、沢木耕太郎さんとの対談や、取材時の砂漠の写真も見られます。
村山さんの取材・執筆秘話も公開中♪
ぜひ覗いてみてください。
特設サイトはこちら

(編集N)


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