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ロマンス

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『ロマンス』井上ひさし

定価:2,000円(本体)+税 4月4日発売

チェーホフの想いをチェーホフの手法で描いた

傑作・快作・自信作
「生涯に一本でも素晴らしいボードビルが書けたら---」。少年チェーホフの思いは、舞台ではついに実現することなく終わるのか? 奔放な女優にして妻のオリガと兄想いの妹マリヤの友情と反発、演出家スタニスラフスキーとの協力と対立。革命前夜のロシヤを舞台にチェーホフの歓喜と苦悩に満ちた一代記。ボードビルを、高め、練り上げ文学にしようとしたチェーホフ。「喜劇だ」「いや、悲劇だ」、いまでも世界中でかまびすしい議論の的となるチェーホフ戯曲の本質を解き明かした傑作戯曲。これは面白い。和田誠さんの装丁が華を添える。ちなみに、2010年はチェーホフ生誕150周年を迎える。

稽古場のぞき見
 快作は一朝一夕には上がらない。梅雨入りした東京は三軒茶屋にある地下4階の稽古場には、文字通り体当たりの演技を見せる大竹しのぶさん、けなげな妹を演じる松たか子さん、そしてチェーホフの各時代を演じる井上芳雄さん、生瀬勝久さん、段田安則さん、木場勝己さんらの姿が。締め切りはとうに過ぎ毎日数枚ずつ届けられる原稿。しかし演出の栗山民也さんはじめキャスト・スタッフはその緊迫感を逆に楽しんでいるようにさえ見える。最後の原稿が完成したのはなんと、初日2日前の夕刻。そしてついに、真夏日となった2007年8月3日予定通りに開演、大好評を博した。9月30日の楽日までチケットは完売であった。

原稿ができるまで
 本人も「遅筆堂」と名乗るほど、井上ひさしさんの遅筆は有名だ。でも一体なぜ、そんなに遅くなるのだろうか。その秘密の一端を垣間見るのに絶好の資料が公開された。それが巻末に置かれた『原稿ができるまで』と前後の見返しに印刷された手書きのチェーホフ年譜だ。ありとあらゆる既存の資料を読み漁り、それらを整理し自分の手で書いたりワープロに打ち込んだりして必要な素材を丸ごと身体に染み込ませ、しばらくして頭の中から全ての資料を捨ててしまう。
そこで初めて筆を執る。なるほど時間がかかるわけだ。こうして出来上がったのが、この自信作。

舞台写真42枚を全てカラーでお楽しみ下さい
 チケットが取れなくて涙を呑んだ人、東京があまりにも遠くて断念した人、そんな方は舞台写真を見て充分に楽しんで下さい。また、運良く見られた人(新潟在住で13回見たという女性に偶然会いました)はあの時の感動が必ず戻ってきます。もう一度舞台を観ている気分を味わうこと請け合い。舞台撮影の第一人者、谷古宇(やこう)正彦さんのアングルが冴え渡っています。
(編集TI)


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