RENZABURO

この幸せが、この恋が、ずっとずっと続いてほしい。そう思っていたのに——。 この幸せが、この恋が、ずっとずっと続いてほしい。そう思っていたのに——。

GENERATIONS from EXILE TRIBE 片寄涼太さん、感動!!GENERATIONS from EXILE TRIBE 片寄涼太さん、感動!!
タイトルの通り、今まで自分が生きてきたなかで一番"美しい雨"と出会うことができました。
そんな美しい雨のなかで"生きる意味"、"幸せとはなにか"ということに向き合うことができ、最後には必ず"美しい涙"が止まらなくなると思います。
生きているなかで心から大切に想える人と出会えること、ただそのことが"奇跡"なんだと気づかせてくれるとても素敵な作品でした。

応援コメント

途中、何度も何度も目に涙がたまりました。お互いの命を気にしながらも、それぞれの夢を叶えようとする想いと奇跡に鳥肌がたちました。
岩瀬書店 富久山店プラスゲオ・吉田彩乃さん
読み終えて、天国で作っている雨を降らせた時のことに思いを巡らすと切なくて涙が止まりませんでした。物語の最後に訪れる奇跡も切ないのだけれど、でも温かさも感じられて、ホッと息をすることができました。
ジュンク堂書店 奈良店・藤田香織さん
共感出来る気持ち、生き方、その全てに、最後までページをめくる手がとまりませんでした。
紀伊國屋書店 アミュプラザおおいた店・藤内希美さん
なにげないシーンが先を示しているようで、物語の時々にいつのまにか、涙が出てしまいました。夢をかなえたい。日々のしあわせを感じて暮らしたい。どちらも大切? いろいろと考えてしまいました。切ないお話しでした。
TENDO八文字屋・石山泉さん

内容紹介

彼女の笑顔を想うと、時々、涙がこぼれそうになる。
この幸せが、この恋が、ずっとずっと続いてほしい。そう思っていたのに——。

駆け出しの建築家・誠と、カフェで働く日菜。雨がきっかけで恋に落ちた二人は、鎌倉の海辺の街で愛にあふれた同棲生活を送っている。家族のいない日菜に「夢の家」を建ててあげたい、そのために建築家として名を上げたいと願う誠だったが、ある雨の日、日菜と一緒にバイク事故で瀕死の重傷を負ってしまう。
目を覚ました彼らの前に、“案内人”と名乗る喪服姿の男女が現れる。
そして誠と日菜は、二人合わせて二十年の余命を授かり、生き返ることに。
しかしそれは、互いの命を奪い合うという、あまりにも苛酷で切ない日々のはじまりだった——。

この恋の結末に、涙せずにはいられない。
『桜のような僕の恋人』の著者が贈る、胸打つ長編小説。

この恋は世界でいちばん美しい雨

この恋は世界でいちばん美しい雨宇山佳佑
2018年11月5日発売
ISBN:978-4-08-771168-4
定価:本体1,400円+税

これは僕が10年前に書いた初めてのラブストーリーです。僕の創作の原点であり、今書ける自己ベスト的作品です。宇山佳佑

宇山佳佑(うやま・けいすけ)
1983年生まれ。神奈川県出身。脚本家、作家。ドラマ『スイッチガール!!』『主に泣いてます』『信長協奏曲』などの脚本を執筆。著書に『ガールズ・ステップ』『今夜、ロマンス劇場で』『桜のような僕の恋人』『君にささやかな奇蹟を』がある。

試し読み

プロローグ二人の死

雨の音がする。行く手を阻む砂嵐のような激しい雨の音だ。

目を覚ましたとき、僕は窓の外のその雨音をぼんやりと聞くともなく聞いていた。鼻を刺す消毒液の臭い。ピコン、ピコン、と無機質で不快な機械音が耳に響く。横たわったまま見上げたそこには白く輝く無影灯がある。

置かれた状況が少しずつ分かってきた。

そうか……。あの公園からの帰り道、僕は事故を起こしたんだ。六月の梅雨空から降りだした雨にバイクのタイヤを滑らせたんだっけ。それできっと病院に。恐らくここは救急外来だろう。

でもあのとき、僕の後ろには彼女が乗っていたはずだ。

じゃあ、まさか——。

起き上がろうとしたけど力がまったく入らない。金縛りにあったときのようだ。かろうじて眼球だけを横に動かすと、隣のベッドで仰向けになる彼女の姿が霞んで見えた。傷だらけの頬には鮮血が滲んでいて、口に挿管チューブを突っ込まれ、救命医から懸命な心臓マッサージを施されている。

彼女の命の灯は、今にも消えてしまいそうだった。

試し読みはこちらから

著者エッセイ

素敵な勘違い

人は勘違いをする生き物だ。

特に僕はその傾向が強いタイプの人間だと思う。今思い返しても恥ずかしくて消えたくなるような勘違いの数々を嫌というほど経験してきた。

あれは十代の頃——。
「あれれ? この子、もしかしたら僕のこと好きなんじゃないのか?」

ちょっと親しくなった女の子の、ちょっとした親切に、僕はちょっとどころじゃなく勘違いをした。そして実際に告白してみると、
「はあ? マジ勘弁。冗談はその風船みたいなお腹だけにしてよ」

彼女の冷たい視線に、僕は後ろ髪を撫でながら顔をハイビスカスみたいに真っ赤にして俯く。そして「てへへ、また勘違いしちゃった。さて、家帰ってポテトチップスでも食べようかな。あーあ、また勘違いしちゃったよ。格好悪いなぁ」と自分を呪って、この世界から消滅したくなるのだった。

そんな僕の人生最大の勘違いは、今から十年前に遡る。当時、不真面目なサラリーマンとして営業に行くフリをして時間を潰すことだけに人生のすべてを捧げていた僕は、縁あって小さな舞台の台本を書く機会を得た。中学生の頃から脚本家になることを志してきた。だから全身全霊で物語を紡いだ。そうして書き上げた脚本は二〇〇九年五月に上演された。

舞台初日、客席の隅で緊張しながら観劇していると、驚くべきことが起こった。

ぐすん、ぐすん……。そこかしこからすすり泣く声が聞こえるではないか。しかも一人や二人じゃない。何人もだ。もちろんその涙の根源は舞台上で頑張っている役者さんの好演のおかげなのだが、僕はその声を聞きながら大きな勘違いをした。
「あれれ? 僕ってもしかして物語を書く才能があるんじゃないのか?」

その勘違いは僕の人生をあらぬ方向へと動かした。サラリーマンを辞め、脚本家を目指すことにしたのだ。きっとあのときの勘違いがなければ今日の僕はいなかっただろう。今も品川の川べりで営業に出かけたフリをして缶コーヒーを飲んでいたに違いない。あの日の勘違いは僕の人生を大きく変えてくれた。

そして九年の時を経て、あのとき書いた物語を小説『この恋は世界でいちばん美しい雨』としてリライトすることになった。内容は大きく変えたものの、当時僕が書きたかったテーマやエッセンスはそのまま残した。今の僕が書ける力をすべて用いて紡ぎ直した物語は、僕の創作活動の原点であり、僕という作家が歩むべき道を示してくれた“道しるべ”のようなものだ。

この物語では『雨』がキーアイテムになっている。九年前、僕は雨が嫌いだった。雨が降ると会社へ行くのが億劫になるし、仕事をサボって営業に行くフリも面倒だ。会社の窓の外を降る雨を眺めながら「あーあ、雨なんて降らなければいいのにな……」と何度思ったことだろうか。

しかし脚本を書きはじめた日、偶然にも雨が降っていた。その雨を見て「これもなにかの縁かもしれないな」と雨をキーアイテムとして登場させた。そして舞台の千秋楽。上演が終わって外へ出てみると、空から雨が落ちてきた。その雨を見上げていたら、隣にいたお客さんが友人同士でこんな話をしはじめた。
「さっき雨のシーンがあったのに外に出て本当に雨が降るなんて、なんか奇跡みたいだね」

なんとなく言ったであろうその言葉は、しかし僕にとってある種の天啓のように感じられた。僕が雨を好きになった瞬間だった。

そして今、物語をリライトする僕に、雨は再び“勘違い”という彩りを添えてくれた。

それはタイトルを付けるための打ち合わせをした日のこと。今まで晴れていたのに突然雨が降り出したのだ。嘘のような本当の話だ。その突然の雨が、『この恋は世界でいちばん美しい雨』というタイトルを付けることに力を貸してくれたのかもしれない。僕はそう勘違いしたのだ。

カバーのデザイン打ち合わせをした日もそう。打ち合わせを終えて外に出ると激しい夕立に襲われた。打ち合わせ場所に自転車で訪れていた僕は、おかげでずぶ濡れになった。でもその雨のおかげか、素晴らしいカバーができあがった。もちろん、イラストレーターさんとデザイナーさんの才能の賜物だ。でも僕は「これもきっと雨の恵みだ」と勘違いをしている。

そんな風に雨は節目節目でこの物語に彩りを与えてくれた。それはまるで、あの日、舞台の千秋楽にお客さんが言った『奇跡』と思いたくなるような素敵な素敵な勘違いだ。この勘違いがどうかこれからもずっと続いてほしい。そして次に雨が連れてきてくれる奇跡は、この物語がたくさんの人の手に届くという幸福になるだろうと、僕は今から勘違いをしている。

(「青春と読書」2018年12月号掲載)

エッセイを読む

この恋は世界でいちばん美しい雨

この恋は世界でいちばん美しい雨宇山佳佑
2018年11月5日発売
ISBN978-4-08-771168-4
定価:本体1,400円+税

事故で死に瀕した恋人同士の誠と日菜は、二人で二十年の余命を授かり生き返る。しかしそれは互いの命を奪い合う、切なすぎる日々のはじまりだった——。この恋の結末に、涙せずにはいられない。胸打つ長編小説。

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