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家族じまい

家族じまい

家族じまい

桜木 紫乃 著
2020年6月5日発売
ISBN:978-4-08-771714-3
定価:本体1600円+税

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「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」
突然かかってきた、妹からの電話。認知症の母と、かつて横暴だった父。両親の老いに戸惑う姉妹。
別れの手前にある、かすかな光を描く長編小説。

『家族じまい』刊行記念 桜木紫乃さんインタビュー
「小説の仕事は、赦すことだと思うんです」

子育てに一区切りついた智代のもとに、突然かかってきた妹・乃理からの電話。
「ママがね、ぼけちゃったみたいなんだよ」
新しい商売に手を出しては借金を重ね、家族を振り回してきた横暴な父・猛夫と、そんな夫に苦労しながらも共に歳を重ね、今は記憶を失くしつつある母・サトミ。親の老いに直面して戸惑う姉妹と、さまざまに交差する人々。夫婦、親子、姉妹……家族はいったい、いつまで家族なのだろう。桜木紫乃さんの新刊は、北海道を舞台に、家族に正面から向き合った五編からなる連作短編集です。刊行にあたりお話を伺いました。

聞き手・構成=砂田明子/撮影=hiro

登場人物全員が私の内側という気がしています

─ 今回、家族をテーマに書かれるきっかけは何でしたか。

『ホテルローヤル』の担当編集者に、ホテルローヤルの“その後”を書きませんか、と言われたのがきっかけでした。直木賞をいただいたあの小説は、ホテルローヤルというラブホテルに集ってくる人々や、ホテルを経営する家族を、私にとってあったかもしれない話として書いたんですが、今度は真正面から、私が思う家族の形に取り組んでみませんか、という提案でした。えげつないところを突いてくるなと思って(笑)、ウンウン唸りながらどう書くか話し合っていたときに、最近聞くようになった「墓じまい」という言葉が浮かんだんです。「墓じまい」があるなら、「家族じまい」もあるんじゃないか、と言ったのはその担当編集者です。
 いいタイトルだなと思って、家族じまいで何本か書いてみたいと思ったんです。で、私が思う家族じまいって何だろうと考えていくと、単純に家族を整理するとか、家族の誰かと縁を切るとかではなく、改めて振り返ることではないかと。だとしたら、私自身が経てきた、何てことのない家族の日常を書くだけで、「しまう」形に向かっていくのではないか。終わりを意味する「終う」ではなく、ものごとをたたんだり片付けたりする「仕舞う」ですね。そういう気持ちで書き始めました。
 この小説に出てくる智代の家族構成は、私の家とほぼ同じなんです。起きる出来事はフィクションですが、智代の父と母を核とした家族関係は、我が家と同じです。父はもともと理髪店を営んでいて、最後、ラブホテルを経営していましたし、母親は今、認知症です。

─ ご自身の家族に寄せた設定で書くのはいかがでしたか?

 書きやすい部分と書きづらい部分、両方ありました。ただ、結果的に、誰に取材をしたわけでもないけれど、各章の視点人物にした五人は、全員私の内側という気がしています。書くことで改めて自分と向き合えた一冊になりました。

―インタビューの続きは「青春と読書」6月号本誌か、青春と読書公式サイト http://seidoku.shueisha.co.jp/ でお楽しみください。

著者プロフィール

桜木 紫乃(さくらぎ・しの)
1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」でオール讀物新人賞を受賞。07年に同作を収録した単行本『氷平線』を刊行。13年『ラブレス』で島清恋愛文学賞を受賞。同年『ホテルローヤル』で第149回直木賞を受賞し、ベストセラーとなる。他の著書に『起終点駅 ターミナル』『無垢の領域』『蛇行する月』『裸の華』『緋の河』など。

家族じまい

家族じまい
桜木 紫乃 著
2020年6月5日発売
ISBN:978-4-08-771714-3
定価:本体1600円+税

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