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地下にうごめく星

地下にうごめく星

地下にうごめく星

渡辺優 著
2018年3月26日発売
ISBN:978-4-08-771138-7
定価:本体1400円+税

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夢をあきらめきれない地下アイドルと、アイドルで人生が激変した40代・女オタク。運命の出会いの行く末とは⁉ 渡辺優『地下にうごめく星』発売!
たまたまライブで見た「地下アイドル」に、人生を賭けるほどのめりこんでしまった40代独身女子の夏美。無謀にも、アイドルのプロデュースに挑戦することに。
そんな夏美のもとに集まった、4人の若者たち。
所属するアイドルグループが解散して行き場をなくしたカエデ、女装してライブに通う高校生の翼、みずからを「天使」と称するいじめられっ子の瑞穂、自分に自信を持てないままステージに立ち続ける愛梨──。
「アイドル」の持つ光に引き寄せられた5人がそれぞれの居場所を探し求める、青春長編小説。

試し読み

渡辺優『地下にうごめく星』冒頭プロローグ、全文公開!

 なんて悲しい世界でしょう。人生は苦しみです。願いは叶わず、努力は報われず、苦痛のときを一秒一秒やり過ごし、消耗し、老いて、衰えて、やっとたどり着く安定は死。そこになにが残るのでしょう。どんな意味があるのでしょう。なんて虚しい、不毛な命。

 それでも、感謝しています。この世界に生まれたことに、感謝しています。この国の、この時代の、この場所この瞬間に生きていることに心から感謝いたします。我が命はこの一瞬に燃えるために生まれました。すべての苦痛はこの一瞬のために耐える価値があります。

 たとえこの手が千切れたとしても、腕を振り上げたい。

 喉から血が溢れたとしても、声を上げ続けたい。

 ああ、もうすぐ始まる。なんてうれしい。すでにもう楽しい。

 いったい何がこんなに楽しいのか、正直自分でもよくわからないのです。この脳は、いったいどんな判断でもって、この身を突き動かしているのだろう。この衝動は、どこからどんな目的をもって、やってくるのだろう。

 でも、そんなことどうだっていいですね。ただ、喜び、それがこの世界のすべてです。苦痛とか忘れた。虚しさとは、はて? もう思い出せない。すべてが最高だということ以外、もう何もわからない。

 もうすぐそこに、ステージの上に、アイドルが現れる。

──渡辺優『地下にうごめく星』より

担当編集のテマエミソ新刊案内

 『地下にうごめく星』は、地方で活動する「地下アイドル」をテーマにした作品です。
 アイドル小説といえば、夢を追いかけてステップアップしていくシンデレラストーリーを想像する方もいるかもしれませんが、この作品はひと味違っています。
 登場人物たちはそれぞれ人生の鬱屈を抱えていて、夢だけでなく「あきらめ」をもたっぷり内包した各キャラクターの個性が、この作品の醍醐味のひとつです。
 毒とユーモアのある筆致と、退屈な人生の中にちらりと差しこむ「光」を描き出す世界観。渡辺さんの著作は、いま目利きの作家や書店員さんからも注目を集めています。
 担当編集としても、次にブレイクする作家はこの人、と自信を持っておススメできる書き手。本好きの方はいまのうちに要チェックです!

(編集担当AT)

著者プロフィール

渡辺優

渡辺優わたなべ・ゆう
1987年宮城県生まれ。大学卒業後、仕事のかたわら小説を執筆。2015年に「ラメルノエリキサ」で第28回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2017年、『自由なサメと人間たちの夢』を刊行。

地下にうごめく星

地下にうごめく星
渡辺優 著
2018年3月26日発売
ISBN:978-4-08-771138-7
定価:本体1400円+税

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