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担当編集のテマエミソ新刊案内

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僕には世界がふたつある

  • 紙の本

精神疾患の妄想や幻覚にとらわれた少年の、頭の中の海の世界と不安な〈航海〉を描く。全米図書賞受賞の青春小説『僕には世界がふたつある』

定価:2,200円(本体)+税 7月26日発売

ニール・シャスタマン『僕には世界がふたつある』(金原瑞人/西田佳子訳)は、アメリカのベストセラー小説です。
いつからか妄想や幻覚にとらわれた日々を送るようになった15歳の少年、ケイダン。
自らの病識がない彼は、妄想の中で海賊船の乗組員となり、無茶な指示を出してくる船長や喋るオウムなどのいる、不可解でファンタジックな世界を違和感なく受け入れています。一方現実世界では、同じ高校のだれかが自分の命を狙っているような気になり、床下のシロアリの音に怯え、家族や友人たちに不審な言動を心配されています。自分はいったいどうなっているのか?誰を信じればいいのか? いつしか少年の現実と夢はぐにゃりと混ざりはじめ……

本書は2015年に全米図書賞の児童文学部門を受賞しましたが、大人の読者にもおすすめです。著者は、幻覚や薬の作用の体感について、自身の息子の闘病経験をもとに描写しており、少年の不穏な感覚がリアリティをもって感じられます。
また、妄想の世界と現実世界にはひそかな関連があり、いつのまにか散りばめられた細やかな伏線が回収され謎が明かされていくという、著者の腕前も実に見事。一読でも楽しめますが、2回3回と読んだ際には、また新たな発見があるでしょう。

多様な社会に生きる私たちの理解への手助けのために、10代から大人まで、多くの方に読んでいただきたい青春小説です。(K.S)

ニール・シャスタマン Neal Shusterman
アメリカ合衆国ニューヨーク市、ブルックリン出身。映画やテレビの脚本家として活躍するかたわら小説を執筆。本書で全米図書賞児童文学部門やボストングローブ・ホーンブック賞オナーなどを受賞した。著作に『シュワはここにいた』(金原瑞人/市川由季子訳、小峰書店)のほか、子どもに向けたSFシリーズやサスペンス小説など、数多くの作品を手掛ける。現在は4人の子どもたちとカリフォルニアに在住。


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