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担当編集のテマエミソ新刊案内

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戌亥の追風

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『戌亥の追風』著者:山本一力

定価:1,600円(本体)+税 6月5日発売

 山本一力さんの新刊『戌亥の追風』(いぬいのおいて)は、2006年から「小説すばる」で隔月を基本に連載がはじまり、2013年に完結した長編小説。待望の単行本化です。
 ときは嘉永6年(1853年)6月――。木更津の薪炭問屋「波切屋」の次女・おきょうが、黒船の襲来で揺れる江戸に五大力船で向かうところから、物語が本格的に動き出します。おきょうが江戸に向かったのは、観音崎の浜に流れ着いた流木の件で、江戸の材木問屋「木征」と談判をするためでした。しかし、思いがけず、彼女は中川船番所に留め置かれてしまいます。当時、江戸から出る「出女」が厳しく吟味されたのに対し、江戸を訪れる「入り女」はそれほど厳しい吟味を受けなかったため、それは意外な出来事でした。これには黒船の影響だけでなく、吟味役の女の暗い思惑も絡んでいたのです。そして、船番所の下男とそれに結託した船番所の役人が、この件に江戸の大きな薪炭問屋が関わっていることを知って悪事を働こうとしていました。
 実は、おきょうは江戸の薪炭問屋「上総屋」の手代・仙之助を慕っていました。上総屋は、おきょうが10代前半を過ごした大店で、二人は手を握ったこともないものの、密かに思い合っていたのです。状況を打開するため、仙之助は佃島の肝煎である五兵衛の力を借りることにし、おきょうを救い出すための町人たちの奮闘が始まります。
 数日間の出来事が凝縮された、傑作時代長編です。

(担当 H. K.)

山本一力さん撮影/タカオカ邦彦山本一力(やまもと・いちりき)
1948年高知県生まれ。1962年に上京し、東京都立世田谷工業高等学校電子科を卒業。
旅行代理店など様々な仕事に携わり、1997年「蒼龍」で第77回オール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で第126回直木賞を受賞。『銭売り賽蔵』「ジョン・マン」シリーズなど著書多数。


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