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おしまいのデート

  • 紙の本

『おしまいのデート』著者:瀬尾まいこ

定価:1,200円(本体)+税 1月26日発売

『おしまいのデート』、というタイトルを見て、悲しい別れの物語を想像した方は少なくないでしょう。
でもこの本、全然悲恋ものではありません。
「一対一で向き合う男女の恋愛」はまったく出てこなくて、むしろデートという言葉から普通は連想しないような関係を描いています。

たとえば、両親の離婚後、月に一度外で二人だけで会っている孫と父方のじいちゃん。
すでに父は再婚しており、近々母も再婚することになったため、二人の"デート"も終わりにすることに。
その最後のデートでの二人の会話が、とてもユーモラスで楽しいのです。
最後だからと言って、特別にしめっぽくなったりしない。
シリアスになりがちなことも、気負わず飄々と、ナチュラルな筆致で描けてしまうのが瀬尾さんの魅力だなといつも思います。

別れるとき、じいちゃんはこういう言います。

「またな。生きてればどんなことにも次はある」

そう。同じような形ではないかもしれないけど、きっと別な形の何かが待っているはず――。

他にも、こういう"デート"があります。
ちょっとグレかけた男子高校生と定年間際の老教師。
教え子に向かって老教師は「いらいらすんのは、腹へっとるからや」と言って、うどん屋で玉子丼をご馳走します。とくに説教もせず、ただ一緒に玉子丼を食べるだけ。
それ以来、二人はちょくちょく一緒に食事をするようになり、この習慣は、お互い卒業し定年退職してからも続きます。
どうです? なかなか素敵な関係だと思いませんか?

お互い心のうちで、そろそろ相手と会う時期だなと思い、約束をする。
時には約束もせず、ただいつもの場所に向かう。
会う前のワクワクドキドキする気持ち、会っているときの楽しさ、別れるときの一抹の寂しさと切なさ。
待ち合わせして誰かと会うことは、会う前の時間や会った後の時間までも色づけしてくれます。

相手が恋人でなくても、会いたい相手と会う"デート"って素敵なものですよね。
この本を読むと、意外に自分も日々いろんな形の"デート"をしていることに気づいて、毎日がちょっと楽しくなるかもしれませんよ。

瀬尾さんが描く5つのデート、どうぞお楽しみください。

(編集H)


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