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担当編集のテマエミソ新刊案内

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フイヤン派の野望

  • 紙の本

『フイヤン派の野望』著者:佐藤賢一

定価:1,500円(本体)+税 9月24日発売

バスティーユの陥落、封建制度の廃止、人権宣言の採択、ミラボーの病死に、国王一家の逃亡失敗・・・・と、大小様々な事件に彩られた小説フランス革命も本巻で第一部終了です。
第二部は2012年6月から3ヶ月に一冊の刊行予定ですが、「小説すばる」には変わらずに連載として掲載されますので、早く読み進めたい方は、まずはご安心を。

当代きっての歴史小説家である佐藤賢一さんから「フランス革命を書く」と聞いたとき、「これまた大変なことを決心されたものよ」と思うと同時に「佐藤さんでなければ書けない、書くべき、読みたい、読ませてください!」と胸を熱くしたのは、すでに10年ほど前になるでしょうか。

「小説すばる」毎号の原稿をこちらも挑むような気持ちで読ませていただいていますが、単行本化が始まってから、たびたびの打ち合わせでお会いする佐藤さんは、瞳はより清澄に、身体は引き締まり、全身研ぎ澄まされていくようでした。

20代の頃から存じ上げる身としては、40歳前後にしてのその風格に圧倒されたものです。
とはいえ、いつもながらの温厚な空気をまとい、
「いや‥‥痩せちゃうんですよね、食べているんですが」

ダイエット中でも、ましてや病でもない。むしろ、心身の健康状態としては近年以上に良好とのこと。「小説を書き続けるためには健康第一だな、と思いまして」と、タバコをやめたこと、玄米食に変えたことなどを、照れ笑いをにじませながらおっしゃったものでした。

ミラボー、ロベスピエール、デムーラン、ダントン等々、綺羅星のような革命家たち一人一人の、短くも濃い人生に思いを馳せ筆にしていくエネルギーたるや、相当のものであるからこそのカロリー大量消費なのでしょう。
「これを書け~、俺を書け~~」
こんな人たちに迫られたら常人ならば、高熱で倒れそうです‥‥(ご参考まで佐藤賢一さん著『フランス革命の肖像』(集英社新書)をご覧いただければより一層イメージしやすいかと・・・すさまじく濃ゆ~~~い存在感が革命関係者全員の顔に出ています。ちなみに弊社佐藤さん担当編集の間でフランス革命関係者モノマネが流行中)。

大作シリーズもの、まして西洋史となれば、難しいのではないか、途中からではわからないのではないか、はたまたカタカナ名前ばっかりで挫けそう・・・等々、危惧される方も多いことでしょう。
が、こちらの小説に関しては、その心配は無用です。
どの巻から読んでも面白い。

戦闘モードや動きのあるシーンがお好きならば『バスティーユの陥落 小説フランス革命II』や、『王の逃亡 小説フランス革命V』を、政権や派閥抗争、水面下の闘いにご興味があるならば『議会の迷走 小説フランス革命IV』そして本巻『フイヤン派の野望 小説フランス革命VI』あたりがおすすめ。そこはさすが佐藤さん、どの巻もさりげない独立感を持っていて、すんなりと物語世界に浸れるのです。
西洋史のエポックメイキング的大事件とも言うべき、フランス革命。

佐藤さんにとってはライフワーク、集英社にとっては財産、編集にとっては冥利につきる大仕事‥‥そして、ひとりでも多くの読者の方の書棚にとっておいていただき、末代まで読みついでいっていただけたらと思います。
フランス史を学ぶためでもよし、革命の全貌を把握するためでもよし、そして、人生を賭けて闘って散っていった若者たちの生き様が国を時代を動かした、というまぎれもない事実を実感し、彼らの群像劇を楽しむもよし。
それこそ、革命で勝ち取った「万人に平等に自由に」知的好奇心を充足させつつ、読者を楽しませる稀有な歴史エンターテインメント、ここにあり、です。

(編集K)


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