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担当編集のテマエミソ新刊案内

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静かにしなさい、でないと

  • 紙の本

『静かにしなさい、でないと』朝倉かすみ

定価:1,400円(本体)+税 9月25日発売

 あなたは自分を「美人」だ(あるいは、「モテる」)と思いますか?
 それとも、「ブサイク」だ(あるいは、「モテない」)と思いますか?
 多くの人が、おそらく「ふつう」と答えるのではないでしょうか。
 でも、その「ふつう」の中には、「あの人よりは可愛いし」とか「まだこれから一発逆転があるかも」とか、そんな自意識が渦巻いている場合が、多々あるのでは……?

 朝倉かすみさんの最新作品集『静かにしなさい、でないと』は、抱えきれない自意識を持て余す人たちを描いた作品です。
 自作自演の子犬救出劇を同級生に目撃され転落していく美少女、カード破産しながらもロハス生活を実践しつづけるカップル、短命の家系に生まれた夫の「ぽっくり」を恐れる中年初婚夫婦、わきがの自分とセックスしてくれそうな男のもとへ準備万端で出かける女、などなど……
 誰しもがもっている「わたし」という自意識が、少しいびつな形で膨らむとこんなふうになってしまうのか!という、それぞれの「成れの果て」が、朝倉さんらしいユーモア感覚とブラックな視点で鋭く描かれます。

 彼らが人生のやり直しをはかろうともがきあがく姿や、「まだ大丈夫」と自分をなだめすかす必死さは、狂気じみているのに、ともすれば共感してしまう……きっとあなたも、身につまされたような気持ちになるはずです。

 『田村はまだか』の快進撃も記憶に新しい朝倉さんは、ひとの内面を怖くなるほど深~く見つめ、独特の語り口で描いてみせる作家です。普段も電車の中で人を観察しながら、「あ、この人たぶん相武紗季を意識してるな」とか考えているらしい……それを聞いて、だからこんなに“黒い”のね、と納得しました。けれど決してジメジメせず、むしろ笑ってしまえるくらいドライで軽やかに“黒い”のが朝倉流。この『静かにしなさい、でないと』も、まさにそんな清々しいまでの黒さをたたえた一冊です!クセになります!!
 これを読んで、是非、あなたの「わたし」を勇気づけてあげてほしいと思います。
(編集W)


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