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担当編集のテマエミソ新刊案内

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グラニテ

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『グラニテ』永井するみ

定価:1,800円(本体)+税 7月25日発売

永井するみさんの『ソナタの夜』(2004年・講談社刊)をご存知でしょうか?
女性心理の清濁をすくい取った佳作揃いの短編集です。
大きな仕掛けがあるミステリーでも、手に汗握るサスペンスでもありません。

けれど、透明感ある文体の奥に潜む“凄み”が余韻を残すこの作品を読んだとき、
永井さんにお願いしたいテーマが決まりました。
ここまで女性心理を掘り起こせるのであれば・・・・母と娘、これではないか、と。

本作に登場するのは、43歳の母と17歳の娘。
パティシエでカフェのオーナーである母は、10年前に夫を亡くし、高校生の娘、飼い犬と穏やかに暮らしています。14歳年下の恋人と自分の娘が出会うまでは・・・・。
成熟した大人の魅力が匂いたつ母は、娘とひきくらべ老いていく自分に慄いている。
女性として開花を迎えようとする娘は、磐石に見える母の底力に嫉妬している。
歳相応の相反する魅力をほとばしらせる母娘が、一人の男によって、二人の女になり変わっていきます。
彼は絶対に渡さないと母が思えば、お母さんは道から外れていると娘が返す。
美しい母娘なだけに、けわしい表情で対決する様には迫力があります。
相手を思うがゆえに憎しみもひとしお・・・この描きっぷりが見事、原稿を読みながら鳥肌が立つほどでした。

永井さんご本人は、底意地の悪さがまるきりない方なので(笑)、ここまでマイナスパワーを描ききっていただくとは、と予想以上でした。
親子である前に、ひとりの女として、一対一の人間として・・・。
さあ、この母娘には大嵐の後にどんなラストが待っているか。
ページを繰り出したら止められませんよー。
(編集K)


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