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「これは家出ではないので心配しないでね」14歳と17歳。少女は二人きりで“アメリカを見る”旅に出た。美しい風景と愛すべき人々、そして「あの日の自分」に出逢える、江國香織二年ぶりの長編小説。「これは家出ではないので心配しないでね」

14歳と17歳。少女は二人きりで“アメリカを見る”旅に出た。美しい風景と愛すべき人々、そして「あの日の自分」に出逢える、江國香織二年ぶりの長編小説。

内容紹介

14歳と17歳。ニューヨークの郊外に住むいとこ同士の礼那と逸佳は、ある秋の日、二人きりで“アメリカを見る”旅に出た。日本の高校を自主退学した逸佳は“ノー(いやだ)”ばかりの人生で、“見る”ことだけが唯一“イエス”だったから。
ボストン、メインビーチズ、マンチェスター、クリーヴランド……長距離バスやアムトラックを乗り継ぎ、二人の旅は続いてゆく──。
美しい風景と愛すべき人々、そして「あの日の自分」に出逢える、江國香織二年ぶりの長編小説。

彼女たちの場合は

彼女たちの場合は江國香織
2019年5月2日発売
1,800円(本体)+税
四六判/480ページ
ISBN:978-4-08-771183-7

著者プロフィール
メッセージ

江國香織(えくに・かおり)
1964年東京都生まれ。
2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で第15回山本周五郎賞
2004年『号泣する準備はできていた』で第130回直木賞
2007年『がらくた』で第14回島清恋愛文学賞
2010年『真昼なのに昏い部屋』で第5回中央公論文芸賞
2012年『犬とハモニカ』で第38回川端康成文学賞
2015年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で第51回谷崎潤一郎賞を受賞。
著書に『きらきらひかる』『左岸』『抱擁、あるいはライスには塩を』『はだかんぼうたち』『なかなか暮れない夏の夕暮れ』ほか多数。
小説のほか童話、詩、エッセイ、翻訳など幅広い分野で活躍している。
旅ってこうだよなあ、と思っていただけたら嬉しいです。行きあたりばったりでもいいじゃん、と私は思っています。江国香織

試し読み

 木坂理生那はその午後をくり返し思いだすことになる。娘からの手紙──といっても走り書きのメモのようなものだったが──を見つけたときの部屋の仄暗さ、左腕に抱えていた、クリーニング店から受け取ってきたばかりの衣類(一着ずつビニール袋に包まれており、手紙を手にとろうとして身をかがめると、ぱさぱさとひ弱な音を立てた)。確かにそれはよく晴れた秋の午後で、アメリカ東部特有の澄んで乾いた空気と、郊外の住宅地であればどこでもそうである程度の静けさに満ちてもいたのだが、その記憶は理生那のなかで時間と共に誇張され、やがて、「息をのむほど美しい日で、それが逆に不穏だった」ことになり、「こわいくらい静まり返って、この世から音という音が消えてしまったみたいだった」ことになる。...

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推薦コメント

旅をすると、自分という器の小ささを感じる。でも器を大きくできるのも、旅。
どこまでも、どこまでも遠くへ──逸佳と礼那の旅に同行し、そう願わずにいられなかった。
中江有里(女優・作家)
若いときの旅、自由でありそうで、ちょっと不自由な旅、それが切ないほどリアルに描かれている。
ふと自分の過去を振り返るとき、こんな思い出があったらどんなにいいだろうと思う。
金原瑞人(翻訳家)

書店員さん感想

無垢な少女礼那と、頭のいい少女逸佳を通して、自分もアメリカを旅した気分になりました。少女2人の旅なので、ヒヤヒヤしながら2人を見守っていた感じです。
一方、子供たちを心配する親たちと一緒に心配になったり、この旅で人間として大きく成長するであろう少女たちと再会を待ち望んでいました。
一生に一度はこんな旅がしてみたいなあ。
ブックスタジオ大阪店・渋谷宙希さん
一冊の物語の中で描かれる親と子の対立した世界。どちらもわかる。でも気持に中立はなかった。アメリカという大国での小さな冒険は無条件で応援したくなるし、エゴイストな親の感情ももっとも。悩みながら読むも、子供達の見る景色に魅せられた。家族の在り方を問う刺激的な一冊でした。
今井書店グループセンター店・鳥橋早苗さん
人見知りの逸佳と社交的な礼那のロードムーヴィー。友達や恋人ならもしかしたら途中で終わっていたかも。
人に知り合って、思わぬ所にとまったり、働いたりびしょぬれになったり恋をしたり。それでもいとこだから一緒にゴールしなくちゃならない。大人になりきったらこんな旅はできない。
はらはらしたけどキュートな旅だった。
ジュンク堂書店三宮店・三瓶ひとみさん
礼那と逸佳のそれぞれの人との関わり方が、お互いにできることをしていて、それがとても、好きです。後から、じわりとくる作品。
大垣書店イオンモールKYOTO店・辻香月さん

彼女たちの場合は

彼女たちの場合は江國香織
2019年5月2日発売 本体1,800円+税
四六判/480ページ
ISBN:978-4-08-771183-7

「これは家出ではないので心配しないでね」14歳と17歳。少女は二人きりで“アメリカを見る”旅に出た。美しい風景と愛すべき人々、そして「あの日の自分」に出逢える、江國香織二年ぶりの長編小説。

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